SHINTARO
YAMAMOTO
山本 慎太郎(2011年入社)
Jul 26, 1992
趣味
・映画鑑賞、スポーツ観戦、マンガ
特技
・野球、UFOキャッチャー
座右の銘
・耐雪梅花麗

【生徒との出会いで人生が変わった】

「これをやってもどうせ出来ない。」「やるだけ無駄だ。」と考えていた。サクセスリンクでアルバイトをする前はすべてを否定的に考えていた。今、考えてみると否定的な考え方だったから、高校受験や大学受験で、自分が本当に行きたかった第一志望校の学校に行けなかったのだと思う。このような考え方を持っていたのでアルバイトを始めた当初は、様々な研修、普段の90分授業、先輩講師の方と上司の室長との連携など、とにかくすべての事に「何故ここまでやる?」「ここまでやってなんになるの?」と、すべての事に異和感しか、感じていなかった。また、当時はその異和感をすぐ上司である室長や副室長、先輩講師の方々に相談も出来なかった。1人でその異和感を抱えながら普段の90分授業を行っていた。アルバイトを始めて1か月間は確実にその異和感を抱えていた。

 

 

その異和感はアルバイトを続けていく中で次第に薄れていった。一番、異和感を薄れさせてくれた1つの大きな出来事がある。それは、アルバイトを始めて、初めて迎える受験期のことだった。中学受験から大学受験までの対策を幅広く行われていた。冬期講習になれば、受験生が1日中塾にいて受験勉強に励んでいる。先輩の先生方は授業はもちろんだが、それ以外にも個別に英単語の小テストを行っていたり、遅くなっても質問がある生徒には、その生徒がわかるようになるまで質問対応されていたりする姿を見ていた。心の中で「ここまで生徒のためにする先生がこんなにいるのか。」と、思った。

 

そして、受験本番を迎えた。目の前には緊張する受験生を、温かく見届ける先生たちの姿があった。合格発表の日を迎えた。大学受験の結果発表の日、合格を伝えに生徒が塾に報告をしに来た。少し、涙目になっていた。その雰囲気からもしかしてという空気が流れたが合格を報告してくれた。室長をはじめ先輩の先生方は自分のことのように喜んでいた。また、生徒が帰ったあと、ある1人の先生がよかったと安堵し涙を流していた。その一連の姿を見て、その喜びの輪に入れなかった自分に対してすごく悔しい感情が沸き上がった。なぜその輪の中に入れなかった自分がいたのかその後、考えた。理由はすぐにわかった。生徒の為に、生徒の喜ぶ姿の為に志事(しごと)ができていないことが明確な理由だった。

 

それから、どうしたら生徒の成績が上がるか、生徒に何をしてあげたら志望校に合格させることができるのかを考えて志事(しごと)を行った。そして、このころ初めて室長に「この生徒を合格させたいので固定でこの教科の授業をさせてください。」と直談判をした。その生徒は、第一志望校合格までの道のりはすごくほど遠いものだった。どうしたらいいか考えた。先輩の先生にも相談を繰り返し行った。その生徒の為に、小テストなど作成し行った。初めてここまで生徒のことを考え悩んだ。しかし、結果は、第一志望校を諦めさせ最初に第2希望にしていた専門学校へ進学をすることとなった。生徒は、「こっちの専門学校のほうが就職しやすくてお金も大学よりかからないからこっちした。」と第一志望校の受験チャンスがまだあるのにも関わらず諦めさせてしまった。生徒本人は納得をしていたが、自分の中では、まだまだ自分が未熟であることを実感させられた。最初に味わった悔しさとは違う悔しさを味わった。その悔しさを味わってからは、先輩の先生の日頃の動きなどをもっとしっかり見るようにした。そうすることで、自分自身が成長しようと考えた。もう、あんな悔しさは味わいたくないという思いしかなかった。先輩の後ろ姿をみていく中で自分に何が足りていないかが分かり始めた。

 

そんな中、2人の受験生に出会った。2人の受験生は同じ部活に所属する受験生で同じ大学を第一志望校としていた。2人とも素直に言われたことをやる頑張り屋の生徒だった。しかし、第一志望校には2人とも合格する可能性はとても低かった。すごく頑張り屋で自習にも毎日のように来てくれていた。言われたことはどんなに大変でも素直にやってくれていた。だからこそ、2人とも第一志望にしている大学に行かせてあげたかった。生徒と一緒にたくさん悩みたくさん考えた。この経験が、今、考えてみるとその後の進路指導の基盤になっていた。受験の結果は、1人は合格し、1人は不合格だった。今までに味わったことのない感情だった。うれしさ半分、悔しさ半分、自分で整理ができない感情だった。あの感じは今でも鮮明に思いだす。あの時は味わいたくなかった出来事だったが今考えてみると進路指導の基盤ができた事を考えるとすごく大事なことだったと思った。また、先輩たちの技術を吸収できてなかったなと改めて思い悔いた。

 

しかし、ここで自分の中で大きな出来事が1つ起きた。それは、目標としていた先輩の先生の勇退だった。ずっと目標にして追いかけてきた背中がなくなってしまうことはあの時の自分には大きかった。今後、どうしたらいいのか、何を吸収して成長していくといいのか先が不透明になっていた。不安だった。さらに自分たちが一番上の年になることもあったので不安がっていても一番生徒に迷惑をかけてしまい、また、教室全体にも悪影響を与えてしまうと考えた。何を目標にするかが一番の課題だった。

そこで考えた結果、今まで先輩の先生が取ってこられた賞であるMVPを自分も同じ数、超える数を獲得しよう、先輩より早い時期に獲得しよう。そうしたら、自分の能力も上がり1人でも多くの生徒の夢をかなえられると考えた。なので、今まで以上に室長の動きや生徒の心境の変化、後輩の先生たちの動きを見るように心掛けた。

 

そんな中、自分の講師生活の6年間で1番うれしい出来事、自分のスキルアップの証明してくれた生徒と出会った。その生徒は、部活動に所属していて毎日部活に追われる生活をずっとしていた。そのこともあり、成績もよくなかった。もちろん、第一志望校にもほど遠い状況だった。だから、今まで以上に生徒に寄り添いいま何をしてあげるとこの生徒の為になるのかを、考え続けた。他の先生とも、もちろん室長とも今まで以上に連携をした。そのかいあって、その子の成績も少しずつ上昇してきた。しかし、そんなある時、その生徒が泣きながら本当は第一志望校が違うといってきた。その新たな第一志望校は、さらに上の学力が必要な学校だった。正直、どうしたらいいか分からなかったが、泣きながら本気で自分の素直な気持ちを言ってくれた生徒に応えたい気持ちもあった。そこからは、先生たちと室長と心理的な面、勉強面で支えて一緒に頑張った。その結果、もし結果ではE判定だった学校に合格をしてくれた。合格の報告をしてくれた時はすごくうれしかった。その時、冒頭に書いた先輩たちの生徒のことを自分のことのように喜ぶ気持ちが分かった気がした。人の為に動くことがここまでうれしいのかと強く感じた。しかし、この年は自分の目標としていた賞であるMVPを獲得することが出来なかった。獲得できなかったことはすごく悔しい思いをした。生徒の進路実現ができたことが、唯一の救いとなった。少し、生徒の進路実現ができたことで「MVPを獲らなくても進路実現が出来たらいいのかな」とMVPを獲ろうと言う気持ちが薄くなってしまっていた。今考えると、人の喜びを自分の喜びとする他喜力が高くなりすぐていた。他喜力はこのアルバイトを通して身に着けることが出来た力の1つである。他喜力は自分が志事(しごと)をするときにモチベーションとなる大切な力の1つである。

そんな時、MVPの授賞式でその年に受賞をされた先生の姿を見た。授賞式には、普段その先生にお世話になっている生徒の姿があった。その生徒が、その先生のMVPの受賞をすごく喜んでいた姿を目にした。素直に羨ましく思った。その時に再度、もう一回MVPを狙ってみようという気持ち湧き上がってきた。また、他喜力が高すぎても自己実現が出来ないのだということも分かった。その生徒と先生が一緒に喜ぶ姿からそれを学ぶことが出来た。再度、自分にまだ何が足りていないかを考えた。考えた結果、自分のスキルアップの為に各種研修に積極的参加すること、また、生徒の為になる、生徒の頑張りを発表する成功事例にもっと力を注ぐことを決めた。

そんな中、ある中学2年生の生徒の授業を持つようになった。その生徒は、嫌いな教科から逃げている傾向があった。なので、まずは嫌いな教科で点数がとれるようにしてあげよう、受験生になった時に、自分の得意な教科にしてあげようと思った。そこから、どうやったら点数が上がるか、成績を上げるためにはどうしたらいいかを真剣に考えた。その結果、その生徒はテスト毎に点数を上げてくれていった。その生徒の頑張りがあったからこそ「成功事例」の発表者に複数回なることが出来た。この年は、研修にも積極的に参加することもできた。生徒の成績も塾に通い始めてからずっと上がり続け2年生を終わることが出来た。

 

この年は、念願のMVPを獲得することが出来た。本当にうれしかった。生徒の成績も上げることも出来て、なおかつ、自分の目標も達成できたことがすごくうれしかった。また、自分に自信を持つことも出来た。なんとも言えない喜びとともに、今まで関わってくれた室長をはじめとする西山教室の先生たちに感謝の気持ちが溢れた。たくさん成功事例を発表させてくれた生徒は、翌年に受験生になり自分が第一志望にしていた高校へと進学してくれた。その後は、講師として

最後の1年を迎えることになった。その最後の1年の中でも、たくさんの受験生をみた。中には、合格してくれた生徒もいれば、残念ながら不合格になってしまった生徒もいる。その1人1人との関わりが今でも鮮明に思い出すことができる。また、その1つ1つの出来事、あのMVPを獲得した時に得ることのできた自信が今の自分の基礎になっている。

 

この6年間のアルバイトで約1万人の小学生から高校生までの生徒の授業をやってきた。その1人1人との出会いが「どうせやっても無駄」「やってもできない」というマイナス思考の自分を変えてくれた。人の喜びを自分の喜びとする他喜力をつけてくれた。社会人として、学校現場に出て担任という大切な志事(しごと)を任せていただいている。クラスの中では、今まで経験したことのない事が、うれしいことも大変なことも起きている。そんな時、自分が今まで培ってきた基礎を自分の武器として対処し頑張ることが出来ている。だからこそ、大事なことを身につけさせてもらったととても実感している。あの時、あの経験がなければ今こうして教壇に立つことはできてないと切に思う。すぐ、何に対しても折れてしまう自分がいたと思う。今まで出会った生徒をはじめ、室長、先輩の先生方、後輩の先生たちに感謝の気持ちを忘れずに、1人でも多く自分の夢をかなえられる生徒が育っていくように頑張っていこうと思う。